溶融グラスの話
灰溶融炉って何なの、安全なの?役に立つの? 
(こんな話がありました。皆さんはどう思いますか)

灰溶融炉とは?
灰溶融炉とはゴミの焼却灰を1200度以上の超高温で(鉄を溶かす溶鉱炉みたいな原理)一気に溶かし
焼却灰の半分から三分の一の固形物(大粒の砂状でスラグと呼ばれます)にしてしまう技術とされて
います。                         
その溶融スラグは処分場に埋めるのではなく、路盤材やタイルに再利用ができるとも言われています。
でもなかなか有効な利用方法としてどれくらい進んでいるのでしょう?。

既存の溶融炉施設の実績は?
約15年前から建設されており、1998年から2003年の5年間で約80箇所で溶融施設が建設されています。
(2004年では135カ所、2007年では234カ所 ※1)  各施設で火災や爆発事故が起きており、排出さ
れるガスからも想定値以上のダイオキシンなどの有毒ガスが周辺地域に排出される事故が起きていま
す。ゴミの溶融炉は技術的に連続稼動と安定操業が困難であり、  15年の経験を経た現在の技術でも
100日以上連続運転を達成した施設はありません。 また、事業者の説明では焼却灰の半分から三分の
一のスラグになるという説明がされていますが、実際にはあまり小さくならず容積が増えるケースも
あり、資源として再利用ができると言われていますが、実際には費用を支払って事業者に引き取って
もらっている自治体もあるそうです。                ※1 (社)日本産業機械工業会 調査資料より

周辺地域での不安事項は?
1.他の市町村からも焼却灰が搬入されるためトラックの通行が増加する。
2.溶融炉は安定稼動が困難なため高温を維持できず、ダイオキシン等を排出してしまう。

なぜ、市町村は灰溶融炉施設を受け入れるのか?
1.市町村の埋め立て施設があと数年しか持たない。
2.国(環境省)が、ごみ焼却施設は、灰溶融炉にすれば補助金を出すとして新しい公共事業として市
    町村が実施した。
3.事業の当事者(市町村)が、既存の灰溶融炉施設で問題が起きていることを十分に理解していない。
    他の自治体ではどうしているのか?
環境省の灰溶融機能をつけなければ補助金の対象にしないとの方針に対し、全国都市清掃会議をはじめ各
地の自治体が、「溶融固化設備なしの焼却施設についても国庫補助の対象とするよう」求めていました。
理由は、灰溶融施設は技術が未熟で、各地で事故が頻発していること、建設費用はもちろん、燃料、資材
交換等の維持費用が従来の炉に比べて非常に高く、税金の住民負担が重くなることがあります。さらに、
溶融スラグの安定した利用先がなく、そのまま最終処分場に埋め立てることになることがわかってきまし
た。こうした自治体の要求が高まるなか、 環境省は2004年2月に事情がある場合には条件に固執しない旨
を明確にし、国会でも「自治体の意見は十分に聞いて、これからも中身については検討していきたい」と、
自治体の意向にそって柔軟に対応すると約束しました。

建設してしまった市町村では何が起きているのか?
全国で、爆発事故が起きており2003年に運転を開始した兵庫県の施設では2年間に27回もの事故を起こし
ています。千葉県では、平成6年から運転した灰溶融施設が事故・故障の多発だけでなくメーカー側でも
予期できなかった不都合や施設の構造上避けられない問題点の 解決が困難なことから平成12年度末で稼
動を停止しています。操業差し止め裁判なども各地で起きています。
静岡市の例
2004年の4月から運転を開始して約3ヶ月で炉内の耐火レンガが損傷する致命的な爆発事故が起きています。
静岡では、建設に60億円以上かかり、運転経費が公表されているだけで、年間2億5千万円かかります。そ
のうえ、事故時の修理代や、事故期間内の対応のためのごみ処理経費などを考えたら、税金の負担は大変
なものになっています。(「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワークのゴミゼロ通信2005年8月11日号より
抜粋)
1.運転再開後の灰溶融炉は相変わらず、まともに動いていなかった。
    今年1月は、わずかに動いたものの2月は完全停止、3月は能力最高に近い50t/日操業を 1日記録
    したものそれ以後は不安定のまま、30t/日前後の処理を交代で運転という四分の一操業が実態だ。
    原因は不明ではあるが運転再開後半年経過しても試運転状態は、 根本的な欠陥炉の可能性は否定でき
    ない。
2.灰溶融による減容効果は相変わらずほとんどない
    灰溶融炉は焼却灰をスラグ(ガラス状の大粒砂状物質)化して、減容効果があるとされてきたが、昨年
    同様、ほとんどないことがわかった。
3.運転処理コストはトン当たり8万円のメチャ高
   今回の資料も、相変わらずの不完全な運転(=試運転)状態であったので、不十分なコスト計算になる。
    しかし、少なくとも処理量に比例して使われる分だけでも、トンあたり5万円はかかる。仮に順調に行
    ってもトンあたり5万円は必要と思われる。ちなみに、焼却灰受入れ予定価格が3万円/トンである。
4.始まったスラグの公共事業への投入情報公開資料によれば、製造されたスラグのほとんどは、沼上最終
    処分場へ持ち込まれていた。       
    ごみ問題の解決のためには、いかに自治体のごみ量を減らしていくか、そのために住民と自治体がごみ
    の実態をリアルにつかみ、どこをどうしたら量を減らせるかの道筋を明らかにし、協力して取り組んで
    いくことが欠かせません。どちらの努力が欠けても、なかなか解決の展望は見えてこないでしょう。

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